日本ミニトン協会

ミニトンとは

ABOUT MINITON

1960年代後半、ヨットレースが世界的に盛んになり始めた頃、大小さまざまな艇種が参加し、着順によって勝敗を決めていました。しかし、艇の大きさが異なるヨット同士では公平性に欠ける面がありました。

そこで1969年、艇の全長によってクラス分けを行うレーティング方式「IOR(International Offshore Rule)」が登場しました。クラスは7つに分けられ、サイズの大きい順に、マキシ、ツートン、ワントン、スリークォータートン(3/4)、ハーフトン(1/2)、クオータートン(1/4)、そして最も小さい第7クラスがミニトン(1/8)で、全長は約22フィートでした。

IORは1970年代から1990年代初頭まで多くのレースで採用されましたが、全長のみでレーティングを決める方式では、素材やセール面積などを高性能化した艇が建造され、再び公平性に問題が生じました。そのため、艇ごとの詳細なデータをもとにハンディキャップを算出し、修正時間で勝敗を決めるIMS、ORC、IRCといった方式へと移行し、IORレーティングによるレースは姿を消しました。

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かつては「ワントン(約40フィート)」「ハーフトン(約30フィート)」などと呼ばれるレースもありましたが、現在では「ビッグボート」「ミドルボート」といった名称が主流となっています。その中で、ミニトンはIOR時代の名残として、現在でもクラス名称をレースタイトルに使用しています。

ただし、レースの勝敗にはIRCのハンディキャップ方式が採用されており、TCC:0.900以下、全長26フィート以下の艇種がミニトンレースの参加資格となっています。

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全国で活躍しているミニトン艇には、Y21、Y23、Y24、Y25、LEP21、YOK22、そしてミニトンレース専用に建造されたTAK1/8(高井22)などがあります。

これらの艇は1980年代後半から1990年代にかけて建造されたものが多く、艇齢は30年前後と古いですが、オーナーの皆さんによる日頃の丁寧な手入れのおかげで、今なお現役としてレースに参加しています。

国内におけるミニトンレースの歴史は古く、第1回ミニトン全日本選手権は1979年に日産マリーナ東海で開催されました。その後、各地で大会が開催され、参加艇が多い時には60艇ほど集まったこともあったようです。

ミニトンクラスは、ビッグボートやミドルボートに比べて中古艇の価格や係留費が安価で済むこと、クルーも4〜5人で手軽に運用できること、さらに各クラブレースや大会で好成績を収めていることなど、小型ながら速さと実力を兼ね備えた魅力があります。

近年の小型艇には、メルジェス20・24やJ70などの高性能軽量ボートもありますが、中古艇でもそれなりの価格であり、ワンデザインのため艤装に工夫を加える余地が少なく、やや物足りなさを感じることもあります。その点、ミニトンは艤装において使いやすさや工夫の楽しみがあり、個性を発揮できるのが魅力です。

ヨットライフを楽しんでいる方の多くは、最初は小型艇から始めて徐々にサイズアップしていった経験があるかと思いますが、やがて大型艇ではクルー不足や維持費の負担など、悩みを抱える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような方には、ヨットを始めた原点ともいえるミニトンクラスに、もう一度挑戦してみることをおすすめします。もちろん、これからヨットを始める方にも最適な選択肢です!

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